GOLF7.5その3 DSGその他

7.5になってというよりはTSIからTDIになったことでDSGのクラッチが湿式多板となりました。当初のDSGは全部湿式だったので、元に戻ったと言うべきでしょうか。ただ湿式のギアボックスはいままでは6速しか無かったのですが、今回の7速ギアの湿式は新しいタイプとなります。
乾式単板と比べるとスムーズですが、やはりキレという面では今ひとつな感じ。変速した時になんとなく「もわ」っと変わっていく感じです。

乗り始めて直ぐに気がつくのはアイドル状態からの【疑似クリープ】が非常に強くなったように感じることです。まるで普通のトルコンのような強さです。
面白い制御だなと思ったのですが、よくよく観察してみると、乾式の時は半クラッチ状態を作って疑似クリープ状態を作っていたのですが、このギアだと半クラッチがほとんど無く、その代わりに1速ギアに入っています。1速に入ってがっちりクラッチがつながっているのだから、微速前進力が強いわけです。この状態でスロットルを開けると直ぐに2速に変速します。なので、実際の発進だと1速に入っているのは殆ど見ることはないです。

また大きく変わったのがアイドルストップ制御。7の時は停止してひと呼吸(0.5秒くらい?)してからエンジンが止まっていたのですが、7.5になってからは停止寸前の微速状態でもエンジンが止まるようになりました。停止位置を停止寸前のブレーキ力で調整する運転癖が付いているので、このような場合には一瞬エンジンが止まるのだけど、次の瞬間にエンジンが再始動してしまいます。どうも運転手とエンジン制御の間で話がうまく伝わらないのがもどかしいですね。

また、面白い機能としては前に停まっていた車が居なくなると自動でエンジンが再始動するようになりました。信号の見逃しが減るし、坂道発進の場合でも楽になるので嬉しい機能です。この機能ってTSI車でもそうなったのかな、ちょっと興味が出ますね。

残念な点としては最大トルクの発生回転域が1750rpm~と比較的高いことと、2速と3速ギアのカバー範囲が日本の交通にあっていないところかな。

ディーゼルで最高許容回転数が低いので、全体にハイギアードとなっています。なので街中速度だと4速のままで結構高い回転数まで引っ張ってしまうことが良くあります。この状態でスロットルを一回戻してやると5速に上がりますが、そうするエンジン回転が下がり過ぎて力不足…

狭い峠道を走るような場合、2速だと回転が上がりすぎだし、3速だと下がりすぎだしとちょっともどかしい感じ。ただこれは最初に乗った6速DSGの時代から変わらずに感じる不満なので、 本国でのスピードレンジが違ってて、その程度は気にせずガンガン回していけってことなのでしょう。