前回書いてから、Microsoftのストアで扱っていた電子書籍を取りやめるとの発表が有りました。利用者には返金するとありますが、今で所有していたつもりの電子書籍が全滅なので影響はそれなりに有ると思います。このような場合、やっぱり物理的所有に勝るものは無いなと思うわけです。
ところで、物理的所有が無敵なのかと言えば、たぶんそうでは無い。次に発生するのが利用方法にまつわる問題。例えばアナログレコードや磁気テープに限らず、物理媒体から記録されているデーターを取り出す装置が必要となりますが、必ずしも必要な時に簡単に手に入るわけでは有りません。レーザーディスクやビデオテープなんてのは、その典型ではないかな。
また、物理媒体への記録フォーマットやデーター自体のフォーマットも全てに対応できるかと言えばそうでもない訳です。
例えば音声データーでさえもmp3,asf,aac,aiff,atrac,wma,mvi,wav,flac,mp4,oggなどと乱立。さらにvqfと言った廃れてしまったフォーマットも有ります。規格が公開されていれば廃れてしまったフォーマットでもなんとか読み取りはできるのでしょうけど、公開されていなければお手上げ。
結局の所、以前から有るデーターを一旦電子化しておいて、時々媒体やデーターフォーマットも含めて最新システムに移し替えて保存しておくのがベストなのかな。そうでないと物理的に所有していたとしても、ただのゴミの山を所有していることになってしまいます。
一方で特別な読み取り装置が必要ではない書籍でも記録フォーマット(?)が問題となり、一筋縄では行きません。たかだか150年前ほどの文書でさえも原典を読みこなせず、現代語訳なる物が用意されるご時世。明治初頭でなくても、昭和初期の本でも旧字・旧仮名なので、人によっては読めないことも有るでしょう。
それよりも前の文書、いわゆる古文書の類だと、あのミミズののたくったような文字を、それこそ「解読」して、意味を読み解く必要が出てきます。
こちらもやはり、その時々の最新フォーマット(?)に変換して保管しておくのがベストなんでしょうね。ただ、書籍の場合は紙の痛み問題を除けば5,60年は同じ本でも大丈夫なのが違いかな。